What’s きらめき農業塾

きらめき農業塾について

中筋 秀樹

富田林市きらめき農業塾
運営委員会会長/新規就農サポートリーダー
富田林市の農業を創造する会 担い手育成部会長
おおきにアグリ株式会社 代表取締役/ナカスジファーム 代表

大阪府立農芸高校、大阪府立農業大学校を卒業後、20歳で就農。33歳の時に先代から事業を継承。ナカスジファームでは、大阪なす、胡瓜の大規模生産をはじめ年間約30種類の野菜を生産。『農』を志す我々が農業のあるべき姿を創造する!という経営理念を掲げ、「これからの農業」を日々模索。2020年4月にはJGAP認証を取得。
自身の農業経営以外にも、地域農業の維持・発展に向けた貢献意欲を強く持ち、「富田林市の農業を創造する会」の発起人の一人として新規就農希望者の育成に力を入れている。初めまして。ナカスジファーム代表の中筋秀樹です。大阪府富田林市で、ナス、キュウリ、海老芋などを中心に生産しています。
今回わたしたちは「富田林市きらめき農業塾」を通じて、新規就農を志す皆さんをサポートし、地域に定着・成長されることをお手伝いしたく、この取り組みを立ち上げました。

本市は大阪府下でも古くから農業が盛んな地域で、大阪市内から約40分とアクセスがよく、いわゆる「都市近郊農業」を特徴とする地域です。
農業界が直面している「農業従事者の高齢化」や「後継者不足」は、本市でも大きな課題となっており、これまでも様々な対策が取られてきましたが、十分な効果が上がっていない現状です。団塊の世代までもが高齢化してきた現在、この兆候は限界を迎えているように感じます。本市は、特産の大阪なす、きゅうり、海老芋等の産地として評価を受けてきましたが、産地の維持すら難しくなる未来がすぐそこまできています。このままでは、本市の農業は活力を失い、その結果、耕作放棄地が増加し、農業の取り巻く環境はさらに悪循環の一途をたどってしまいます。

一方で、近年の良い兆候として、社会人経験を経たのちに農業で生計を立てることを志し、私たちの地域に研修に入られるケースも徐々に増えつつあります。この背景には様々な要素があると思いますが、何かのご縁で農業を志された方が、途中で、何らかの外的要因で就農をあきらめたり、叶わなかったりすることも、残念ながらあります。私たちは、こうした外的な要因のうち、地域の受入農家側の取組によって、そうした残念な事例は解消できるのではないか、と思うようになりました。その結果が「富田林市きらめき農業塾」であり、これまでの新規就農経験者を中心とした「新規就農サポートデスク」によるサポート体制にあります。

本市の農業の持続的発展のためには、職人の技術を受け継ぐ【若手農業者の育成】と、【都市住民が農業を身近に感じられる仕組み・接点づくり】が必要だと私たちは考えます。そのために、地元農家10名が中心となり、新規就農者を迎え育てる機関として「富田林市きらめき農業塾」を立ち上げ、栽培技術の習得、農業「経営」力の育成、就農後の定着・安定化までをフォローアップしていく枠組みを確立しようと取り組んでいます。まだ完成された枠組みではないですし、これからどんどん、私たち自身も学んでいこうと思っています。手ごろな授業料には見えないかもしれませんが、これから就農を志す皆さんにとって、間違いなくプラスになるものと信じています。ぜひ、一緒に、農業を通じて幸せな人生を歩んでいきましょう。

これまでの歩み

2015年

「富田林市の農業を創造する会」設立

市内の有志農業者により、平成27年に「富田林市の農業を創造する会」を設立しました。農業の未来を考え、研究行動し、会員が相互に協力しながら課題に取り組む体制を構築しました。

2017年-2018年

大阪府「新規就農『はじめの一歩』村」研修生受入

大阪府とJA大阪中央会が主催する新規就農村事業「新規就農『はじめの一歩』村」の研修受け入れ団体として参画し、2年間にわたり、大阪府内の就農希望者31名の研修を受け入れました。農業に関心がありつつも、接点を持つ機会がなかなかなかった社会人等を対象に、土日を中心とした研修プログラムを提供。このうち約半数が、就農または就農に向けた農家研修など、「二歩目」の研修に進んでいます。

2020年

「富田林市きらめき農業塾」立ち上げ準備期間

市内の有志農業者により、平成27年に「富田林市の農業を創造する会」を設立しました。農業の未来を考え、研究行動し、会員が相互に協力しながら課題に取り組む体制を構築しました。

①多様性:年齢/品目/経営スタイル

・ナス、キュウリ、海老芋等の産地品目をメインとする農家が中心ですが、トマト、ネギ、ブルーベリー、いちご…その他一般的な野菜をメインにする農家もいます

・産地型の大量少品目でJAや量販店向けに出荷する農家が多いですが、個人宅配で中量中品目、少量多品種の生産・出荷をする農家もいます

・主に慣行栽培ですが、市内には有機・自然栽培を行う農家もいます(紹介します)

②行政・外部機関との連携(府、市、JA、MF、その他)

過去の事業で協業した経験から、大阪府、JA、富田林市、その他外部事業者との連携体制があります。農地の紹介・斡旋や行政主催の勉強会への参加、外部事業者(株式会社マイファーム)等との事業連携等もできます。これまで蓄積してきた経験をもとに、地域内外の多様な関係者で、この事業を育てていきます。

③地域の信頼

「富田林市の農業を創造する会」は、地域で代々農家を営むメンバーが中心となって組織しているため、地域からも厚い信頼を寄せてもらえています。そのため、高齢化による離農等の情報が集まりやすく、農地や高額な農機具も、次の世代に橋渡しやすくなるような役割を果たすことができます。地域にとっても、これから就農を目指す方にとっても、無駄が生まれにくく、投資=リスクの少ない就農のお手伝いをすることができます。

④「新規就農サポートデスク」によるサポート

上述の投資・資金面だけでなく、地域との関係性構築や、円滑な指導・技術の習熟のためには「日々のコミュニケーション」をもとにしたサポートが重要だと私たちは考えています。研修の運営とは別に、「新規就農サポートデスク」を設け、以下のような多様な内容に、手厚くサポートしていきます。なお、サポート人員は先輩新規就農者が中心となっており、年代や農業経験年数も様々ですので、気軽にご相談ください。

先輩就農者・新規就農サポート人材(一部紹介)

浦田 三織
新規就農 5年目(まるさんふぁーむ)
研修先:ナカスジファームにて2年間研修⇒独立就農

大阪府藤井寺市出身。22歳から人材会社のOLとして東京で過ごす。電車の中吊り広告で見た「農業が日本を救う」という言葉から就農を志すようになり28歳で退社、以降5年間、全国各地で飛び込みで農業研修に参加。香川で見たネギ畑の美しさから、ネギでの就農を決意した。大阪に戻り、ナカスジファームで2年間研修。土地、機械、作業場、取引先紹介…その他あらゆる相談事に乗ってもらい独立に向けサポートしてもらった経験と感謝から、自身も次に農業を志す方々へのサポートを通じて恩返しできたらという思いを強く持っている。

清水 裕之
平成29年度「はじめの一歩」村 修了生
おおきにアグリ株式会社 取締役

非農家出身で物流関連の会社経営者。農業をやりたいという思いから平成29年の「はじめの一歩」村に参加、富田林市に通い始める。地元農家との交流の中で「農家社会の常識は一般ビジ ネス社会の非常識」と感じることも多く、自身の経験や知見が地域の農業に役立つこともあるかと考え「おおきにアグリ」に参画。
「自分一人が新規就農するよりも数十人数百人の新規就農者さんのサポートに回る方が大阪の農業に貢献できるはず。就農を目指す方々にはよりハードルの低い入口環境を提供できるようサポートします」